ときおりの上海だより 珈琲


上海はいつのまにか、いや突然、街の風景が変わる。

街中でここ数年で急激に増殖したのは珈琲店、いわゆるカフェである。
高層ビルの階下に海外からの有名珈琲店が必ずある。繁華街では行列のできる処も。
大型商業施設の中でも、本屋が流行の先端を行く内装でカフェ空間を常設するように。
そして、若者たちによる小さなカフェが軒を連ねるようになった。
その反面、老舗だったところがある日突然姿を消すこともある。

世界各地の珈琲豆を吟味したり、カフェラテの文様を楽しんだり、
ゆっくり本を読んだり、友人たちとおしゃべりをしたり、写真をとったり、
パソコンと向き合ったり、考え事をしたり。
思うままに珈琲を楽しむ人々。
少し前は珈琲を常飲する人は珍しかったのに、都市の変化と共に生活様式も変容する。

珈琲師(バリスタ)を目指す若者が、コーヒーポットをゆっくり回しながら練習をしている。
鶏頭鳳尾、多勢の末席とならずに、小なりとも王座を目指せ。
変化に恐れを為さず楽しむ術をもつ私の周りの若者たちは、いつも元気である。

写真は行きつけの珈琲館。
雲南省出身の友人が切り盛りする、上海で一番落ち着く空間です。