ときおりの上海便り 春節


雑司が谷の展示室の上海分室より、
ときおり、ものことについて綴っていきます。

春節になると、閑散とする上海。
人混みも喧噪も消え、鳥のさえずりだけが聞こえてくる。
それでも地元、上海の人々は家族行事や来客で忙しそう。
若者たちは空いた時間を持て余すように、外に繰り出すけれど、
路上の商店は殆ど閉まっていて、年中無休の商業施設が混み合う。

三年前から上海市中の爆竹花火が一斉禁止に。
以前は年夜(大晦日の夜)は人影のない夜中の街の彼方此方で
爆音のような響きが明け方まで続いていた。
そのけたたましい音によって邪気を払うため、
或は、天の神に声を届かせるためなど、
ずっと続けられている風習だけれど、地方の都市部でも禁止になりつつある。
賑やかで、華やかで、活力があることが中国文化らしいから
整いすぎた様子は少し寂しい。

春節前は新年快楽!
春節明けは新年好!
近所のお婆さん達の声が聞こえる。
初一(元旦)、初二、初三、最初の満月の元宵節まで春節は続く。
近代の街上海故、伝統的な春聯や年画もあまり見かけないけれど、
それでも古来からの風習が今も根付いている。

今年の春節は雨が多い。
暦では本日より雨水。春はもう来ました。

写真は龍華寺の初詣の様子。